SPIRITSトップへ業界研究社会人インタビュー内定者就活体験記セミナーカレンダーメルマガプチコンテンツサイトマップ


 

                     
▼プロフィール
篠原欣子(しのはら よしこ)さん
2001年 高木商業高等学校卒業後、三菱重工業株式会社入社
<オーストラリアへ渡り、社長秘書を勤める
帰国後、人材派遣会社「テンプスタッフ株式会社」を設立
テンプスタッフグループは、国内91ヶ所、海外子会社5ヶ所、ケリーサービスとの業務提携を含めて世界28ヶ所でグローバルにサービスを展開中の総合人材サービス企業。
篠原さん個人としては、人材派遣業界団体“社団法人日本人材派遣協会”の会長もつとめ、人材派遣業界の発展向上とフレキシブルな雇用提案を目指す。

 

  
――SPIRITS初の女性社長のインタビュー!!
 インタビュー当日、不安と期待、そして緊張に緊張を重ねるメンバー達。
 しかし、何を隠そう誰よりも緊張しているのは私自身でした(汗)
 今年71歳になられるという大手ベテラン社長とはいったいどういった方なのか。
 メンバーの緊張はピークに達していた。
 その空気を打ち破るように、待合室のドアが「コンコン」と軽く鳴る。

 ドアの前に現れたのは、白いスーツを着た、小柄でとてもかわいらしい女性だ。
 そう、彼女が現テンプスタッフの社長。篠原欣子(しのはらよしこ)さん。
 「こんにちは」とにこやかに挨拶をする姿、やわらかい雰囲気からは、やさしいお母さんという印象を受けた。

 しかし、そんな雰囲気とは裏腹に、インタビューを続ける中で、
 人として、とてもかっこ良く楽しく仕事をする一人の社会人の姿をみせていただいた。
       

>>OL生活を経験したことのある篠原さん。なぜ突然会社を設立しようと考えたのですか?
        
 「もっとイキイキと働きたい! ! 」と思ったからです。
 私は会社を設立する前は、『起業したい』とか、『社長になりたい』などとはまったく考えていませんでした。ただ、私が就職しようかどうか迷っていた頃、日本の女性の仕事といえば、お茶くみとか、補助的なものが中心でした。でも、それは嫌だなと思ったんです。
 だったらフリーな今、『派遣サービスをやってみようかな。』と思い立ち、起業することを決意しました。「もし、会社がダメだったら誰か良い人を探して結婚でもしてしまおうって思ったわ(笑)」         

>>起業を決意したときに、なぜ人材派遣業を選んだのですか?

 私が人材派遣業を始めたのは、オーストラリアで社長秘書として就業していた時、そこで初めて人材派遣会社から派遣された社員を見かけたことがきっかけでした。オーストラリアの職場では、男女が平等で、女性がとってもイキイキと働いていたのです。その姿にカルチャーショックを受けました。
 そこで、『このビジネスって日本で必要とされるのじゃないかしら? 』と考えました。当時は第一次オイルショックの時代。外資系企業の日本への参入も追い風となり、欧米で普及している便利な派遣サービスが活用されるのでは?と考えたのです。『とにかくやってみよう! ! 』とビジネスをはじめてみました。       


――なんとも思い切りの良い方だ(笑)
当時は『女性社長』自体がとても少なかった時代。しかし『女性だから、男性だから。』篠原さんにはそういった『枠』はなく、“やるならやってみる”篠原さんの考え方や行動力ひとつひとつがとてもかっこいい!
      

>>ビジネスには苦労がつきものだと思いますが、女性として働く上で一番大変だったこと。逆に、女性の方が有利だった事とは何がありますか?
         
 女性を意識することは少なかったのですが、あえて挙げるのであれば、創業時に何度か食事に誘われたことです。          
 ビジネスとはいえ、個人的なお誘いには驚いてしまいました。お客様ですし、お断りしていいものかと思いましたが、やはりビジネスとして健全な姿ではありませんので、きっぱりと断っていました。ですから、当時の女性社員にも「会社が潰れてもいいから、食事に誘われて嫌だなと思ったら、きっぱり断っていいのよ。」と言っていました。          
 また、プラスに感じたことは、私がわからないことを男性に聞けば、警戒せずに教えてくれたことですね、しかも丁寧にわかりやすく。          
 「とにかくわからないことだらけだったんですよ(笑)」          
 でもそのおかげで、たくさんのことを勉強できました。とても感謝しています。         

         
――女性が働く上で、「嫌なら断っていい」と社長がはっきり言ってくれるという姿は、社員の方たちにとって、本当に心強いと思う。しかし、そんな篠原さんはテンプスタッフを立ち上げた当初、名刺に『社長』という肩書きを入れていなかったそうだ。          

 「社長と呼ばれるのが嫌だったのよ。」          

 その言葉から、篠原さんが『社長』という遠い存在ではなく、社員さんにとって、とても近い存在だったことがうかがい知れた。          

 そこでこんな質問をしてみた。
         

>>篠原さんにとって社員さんとはどんな存在ですか?

 もっとも大切な存在です。愛しくて、かわいい。私にとっては家族同然です。会社で働いていてくれることが本当にありがたくて心から感謝しています。ですから、こうして一緒に作り上げてきた、テンプスタッフという会社をより良い会社として残していく。それが私の現在の目標です。
 起業して一番実感しているのが、「人と人との?がりの大切さ」これを肌で実感することが出来ました。
 例えば、昔テンプスタッフで派遣社員として働いてくれていた方から、ある日突然、「今は、企業に勤めているんだけれど、派遣社員をお願い出来ませんか?」って電話が来ることもあります。また、一度テンプスタッフを辞めた社員でも、テンプスタッフにもう一度戻ってきて、また働いてくれる人もたくさんいます。
 そういった人と人との繋がりを肌で感じることができる瞬間というのは本当に嬉しくて仕方がありません。         

>>それだけ大切にしている社員の方が独立したいと言ったらどうするのですか?

 テンプスタッフには、独立したいと言う社員のために、社内ベンチャー制度があります。現に、ベンチャー制度を使って4社ほどがビジネスをスタートしました。この制度は上司の許可も必要なく、自ら手をあげて、積極的にチャレンジ出来るので、社員の誰にでもチャンスはあります。
 でも、独立したいと言ってくる社員には「死んだ気でやれるの? 」と必ず聞きます。なぜなら、会社というのは『楽しく、一生懸命、死んだ気でやれば出来る! ! 』と私は思っていますから、社員にも必ず聞いています。         

         
――その時、私は自分の耳を疑ってしまった。          

「ここまで大きな会社の社長が社員と営業同行をしている! ! 」          

私達の驚きの声に、篠原さんは「ええ、営業は好きなんです。ただ、今はさすがに飛び込み営業はしていませんけれど(笑)」とさらりと答えてくださった。          
篠原さんが飛び込み営業をされたら、飛び込まれた企業の方が驚いてしまうだろう(笑)          

しかし、今ではこうして仕事を本当に楽しんでいる篠原さんだが、会社を辞めたいと思ったことは一度も無いのだろうか?
        


 「もぅ辞めたい・・・。」起業当時は何度もこう思いましたよ。お金の面でも、精神的な部分でも本当に大変で、正直『なんでこんなに苦労しているんだろう。』と思ったことが何度もあります。
 例えば、一生懸命スタッフさんを紹介しても、紹介した企業と合わなかったり、相手の方によかれと思ってしたことも、裏目に出てしまい、怒られてしまったり・・・。         

>>それでもなぜ続けられたのですか?

 私、『自分に負ける』のがものすごく嫌なんです。それに、働いてくれているスタッフさんが、自分に合う職業を見つけたり、お取り引き企業さんから「またお願いします。」と声をかけられると、やめられないなって思います。
 「人が喜んでいる姿、ありがとうと言ってくれる言葉それが私にとっては 無上の喜びなんです。」
 「ありがとう」の一言が聞けた瞬間、イキイキと働いている姿を見た時。仕事って本当に楽しいな、続けていてよかったなと思います。そう考えながら仕事を続けていたら、会社が大きくなっていました。         

         
――誰かが喜んでくれる姿の為にがんばれる。          

 考えていても、継続するのはとても難しいことだと私は思う。          
 しかし、篠原さんはそれを実行し続け、数え切れないほどの『笑顔』を作り出してきたのだろう。理想の社会人がいるとしたら篠原さんのような女性かもしれない。          
 来年から社会人となる私にとって、本当に心のそこからそう思える瞬間でした。
        

>>では、もし生まれ変わるとしたら今度はどのような仕事をしたいと思いますか?

 「もちろん生まれ変わっても、また人材派遣業をやりたいわ!!」
 人材派遣業って本当に楽しいんです。
 まず色々な世界を見ることができる!!人材ビジネスって様々な業界の方々と接するので、たくさんの知識をつけることができる。
 さらに、新しい情報に対してアンテナを張らなくてはいけないので、常に時代の最先端を見続けていることが出来るんです。
 そして、それ以上に仕事をしていて驚くことは、人と人との『繋がり』が本当にすごい!人には心がありますから、大変な反面、喜びも大きいです。人からは、たくさんのことを常に教えられて、たくさんの刺激を未だに受け続けています。
 私は、人のつながりを感じられるこの仕事が本当に楽しくて仕方ありません。
 「人と人との関係はずっとつながり続ける。」
 人材派遣業ほどおもしろいビジネスは他にありません!          


――「また人材派遣業をやりたい。」その言葉を聞いたとき、インタビューをしていたメンバー全員の口からは、「へぇ〜」と驚きの声があがった。

 1973年創業のテンプスタッフ。30年以上もの間、人材派遣業に携わった方を、そこまで魅了し続けるおもしろさ。それは、篠原さんの大切にしている『人と人との関係』そのものなのかもしれない。
 「人材ビジネスって本当に楽しいんですよ! ! 」
 そう話している時の篠原さんの笑顔からは、『仕事が楽しくて仕方がない。誰かに喜んでいただくことが本当にうれしい。』と、心から思っている笑顔でした。
 お話を聞きながら、こんな風に、誰かに喜んでもらえながら、仕事を本当に楽しくこなす事が出来るかっこいい社会人になりたいと、心から思った。


>>企業を一から作り上げ、ビジネスの苦しさと楽しさを学んできた篠原さん。そんな彼女から学生へのメッセージをいただいた。

 「自分に合った仕事がしたい! ! 」と、多くの学生さんは言うと思いますが、最初から100%自分に合う仕事なんてないと私は思います。
 というのは、仕事というものは、仕事をし続けるうちに、喜びややりがいが芽生えるものだと思うの。挫折を抜け出すところにおもしろみがあって、自分自身の力になっていくものなんです。
 ですから、みなさんが選んだ会社で、ちょっとだけ仕事をしてみて、「合わないな」と感じても、3年位はみっちりとその会社で仕事をしたほうが良いと思います。転職を考えるのは、その後でも遅くはありませんから。

>>では、どのような基準で会社を選べば良いと思いますか?

 私だったら、その会社の社員がイキイキしているかどうかで決めます。要は勘ですね(笑)でもその勘が大切! 
 その時、ピンときた会社でがんばってみて良いのではないでしょうか。成長出来るかどうか、挫折を乗り越えられるかどうか、それらはすべて自分がしっかりしていないとだめなことなんですよ。
 結局、すべては自分次第なんです。
 ですから、学生のみなさん、勘を信じてチャレンジしてください!!

        
――やさしいお母さんのような雰囲気をもちながらも、篠原さんは、『仕事を本当に楽しんでいる、かっこいい社会人。』でした。

 「挫折を乗り越えるところにおもしろさがある」

 その一言に、篠原さんの自分自身への強さと、厳しさを垣間見た気がしました。常に、現状に満足しない、飽くなき挑戦心。
 テンプスタッフがこれほど大きく、そして信頼される企業に育った源には、逆境にもめげず、強い意志を貫き通した一人の女性がいたからに違いない。

 お忙しい中、インタビューに答えていただき本当にありがとうございました。
 

記事執筆:大木梨沙
インタビュー:大木、平山、川合、志村
インタビュー日:2005年8月10日

>>インタビュアーの感想はこちら





>>バックナンバー
#17 株式会社アークパワー 池辺竜一さん

#16 株式会社オーピーエヌ 須田万里子さん

 #15 株式会社ベンチャーエントリー 辻口寛一さん

 #14 株式会社ビー・スタイル 三原 邦彦さん

#13 株式会社テクネット 須田騎一朗さん

#12 株式会社テクノブレーン 能勢賢太郎さん

#11 株式会社シンカ 小野公督さん

#10 株式会社テンプスタッフ 篠原欣子さん

#09 株式会社東京コンサルト 円谷梨絵さん

#08 株式会社アクタリスト 水内終一也さん

 #07 株式会社ワイキューブ 李泰一さん

 #06 株式会社学情 塙大亮さん

  #05 株式会社インテリジェンス 上原隆さん

 #04 株式会社シェイク社長 森田英一さん

 #03 株式会社リクルートエージェント 波田野大悟さん

 #02 アチーブメント株式会社 近藤悦康さん

 

>>インタビュアーの感想
#17 株式会社アークパワー 池辺竜一さん

#16 株式会社オーピーエヌ 須田万里子さん

 #15 株式会社ベンチャーエントリー 辻口寛一さん

 #14 株式会社ビー・スタイル 三原 邦彦さん

#13 株式会社テクネット 須田騎一朗さん

#12 株式会社テクノブレーン 能勢賢太郎さん

#11 株式会社シンカ 小野公督さん

#10 株式会社テンプスタッフ 篠原欣子さん

#09 株式会社東京コンサルト 円谷梨絵さん

 #08 株式会社アクタリスト 水内終一也さん

 #07 株式会社ワイキューブ 李泰一さん

 #06 株式会社学情 塙大亮さん

 #05 株式会社インテリジェンス 上原隆さん

 #04 株式会社シェイク社長 森田英一さん

 #03 株式会社リクルートエージェント 波田野大悟さん

 #02 アチーブメント株式会社 近藤悦康さん