SPIRITSトップへ業界研究社会人インタビュー内定者就活体験記セミナーカレンダーメルマガプチコンテンツサイトマップ

 #16 株式会社オーピーエヌ 須田 万里子さん

                     
▼プロフィール
須田 万里子さん
1984年 大手派遣会社に入社。コーディネーターを経てキャリアカウンセリングプロジェクト事務長など。その後、金融系派遣会社の立上げにかかわり人材派遣事業部コーディネート部長を経験。人材派遣事業はトータルで21年。
2004年 「株式会社オーピーエヌ」に入社。キャリアコンサルタントの資格を取得し、今までの経験を活かしながら、人材ビジネス業界に転職したいと考える若い方からベテランの方までの転職のお手伝いをしている。


 

  
今、派遣業界には「知恵」が必要――


今回インタビューさせて頂いた須田さんの働く会社、「株式会社オーピーエヌ」は人材派遣会社向けの転職紹介を中心に、派遣会社の社員向け研修・コンサルティングや、派遣スタッフの募集サイトの運営といった、派遣業界において独自の事業展開をみせている企業だ。
また、全国3000社の派遣会社が購読している月刊誌を発行している「株式会社オピニオン」のグループ会社でもある。
人材派遣業界の人間で「オーピーエヌ」を知らない者はいない――、というほど一目置かれている存在なのだ。

そして、須田さん自身もまた派遣・紹介業界歴23年目という派遣のベテラン!
だが、そんな凄いキャリアとは裏腹に、大変女性らしい謙虚さを携えた方だった。
「22年間、自分が派遣業界で見聞きしてきたことを色々な方に伝えていきたい」とにこやかに話す須田さん。
ガツガツした雰囲気ではなく、周囲の人間をほっとさせるような安心感とあたたかさがあり・・・、私は大変リラックスした状態でインタビューをすることが出来た。

そんな須田さんが「人材派遣」という一見ガツガツしている成長業界でどのように働いてきたのか気になり、早速こんな質問をしてみた。
    
>>人材派遣の会社で実際に働いてみて、どんな印象をもたれましたか?

私が派遣業界で働き始めた頃は、派遣スタッフとして働く人は「仕方なく派遣」というよりは、「あえて派遣を選んでいる」という場合が多く、皆さん仕事に対して「プロ」でしたね。
当時は、「女性は男性のアシスタントをする」という仕事観でしたからね。そんな中「自分で自分のキャリアを選んでいる」派遣スタッフ(女性)の方々からは学べたことが沢山ありましたよ。

>>なるほど。当時の派遣ビジネスのシステムは今とほとんど同じだったんですか?

当時は、派遣スタッフを担当されるのが、営業担当のみ・・・、それだけで運営してたんですよ!
派遣スタッフの方のお話を聞いてくれる「コーディネーター」がいなかった。
スタッフの方の定着率も悪くて。実際、辞める際も、なぜやめるのか聞くコーディネーターが居ないので、辞める理由もわからないままでした。
それで、内勤事務をしていた私たちが、営業担当のかわりに、スタッフさんとお話をしたり、相談したりするようになって・・・。女同士だから話も合いますしね。その結果、派遣期間満了前に突然辞めるスタッフさんが、減ったんです。
スタッフの方も、社員ではないので、心を打ち明ける仲間がいなくて、孤独なんですよね。
でも、そんな風に誰かがじっくり話を聞いてあげたら、風通しがよくなったんですね。

>>コーディネーター、という職種の始まりですね。

そう。私一人でやってるんじゃもったいないから、他の支店でもコーディネーターっていう制度をつくったらどうかな、という話になったんですよ。

―須田さんは13年間その大手派遣会社を勤め上げた後、あるベンチャー企業向け派遣会社の立ち上げメンバーになった。そこでも8年間勤務したという。
そんな形で人材派遣業界の大手とベンチャー両方を体感した須田さんにしか答えられないような質問を投げかけてみた。

>>人材派遣業界で働く「やりがい」「醍醐味」はどんなことだと思いますか?

大手からベンチャーに移った時のこと。
大手派遣会社という看板がなくなった私に、大手時代の友人やクライアントさんがついてきてくれたたんです・・・。色々支援までして下さって。
普通だったらベンチャー企業に勤める人間となんてあまりお付き合いしてくれなくなるはずなのに・・・・。私「須田万里子」という個人に興味を持ってくださったんですよ。

これこそ人材派遣ビジネスならではだな!って思いました。
物を売るメーカーとか商社とかだったら少ないことでしょうから。

>>確かに。形となった商品があるわけじゃないから、自分という人間自体がどれだけそのお客様のニーズを聞き出し応えていくか・・・にかかってますもんね。
では逆に、人材業界における課題や問題点はどんなことだと思いますか?

問題点って・・・私が言うのもおこがましいですね(笑)
そうですね・・・・、今まで人材派遣業界の人間は、必死で・・・わき目もふらず、ただひたすら成長することを考えていたんですよね。景気が右肩上がりで、それだけ需要があったから。良くも悪くも、「知恵」よりも「足腰」を使って何も考えずにガーっと走ってきたという印象です。
でも、今雇用に関して、ニートだとかフリーターなど、雇用について問題がいろいろでてきている。そんな中で、ただ単純に足腰使って、派遣スタッフを右から左に繋いでいくだけでは・・・、ビジネスとして限界があるなって感じますね。
今、人材派遣業界で生き残るには「知恵」が必要なんです。

>>その「知恵」とは、具体的にどんなことですか??

単純にベルトコンベアーに乗せて派遣スタッフを流す・・・というやり方だともうビジネスにならないんです。今日本には9000社も派遣会社がありますから。ひとつひとつの会社に「付加価値」「メリット」がないとね、何故、この会社をとおして働くのか、という明確な理由を、当のスタッフが感じないと、広告費をたくさんもっているパワーのある独立系大手派遣会社しかいらない、ということになってしまいますから。
ですから、特定の業界に特化するとか、派遣する職種どれかに特化するとか、そういう工夫が必要ですよね。そして、何よりも派遣会社で働く社員一人一人の人的な魅力。それが生き残るポイントかな。

>>なるほど。スタッフさんに対して一人一人と個人的に信頼関係を結んでいける「人間力」が必要ということですよね。

そうですね。そういうことってマニュアルでは、どうにもならないんですよね。経験が必要です。
昔の女性の生き方って皆大体同じ(仕事して、結婚して、仕事やめて、子供生んで・・・。)でしたから画一的にライフプランを想定できるんですよ。
でも、今の女性(登録スタッフ)って、生き方が色々でしょう。一人一人選べるんですよね。ですから、それぞれの多様なライフプランを想定して、その方を派遣してフォローしていかないとダメなんです。

さらに、スタッフさんの性格によっても派遣先やフォローの仕方は変わってくる。
例えば、週に1度は様子を見に来てくれないと不安がるスタッフさんもいるし、そんなに何回も様子見に来られても困ります!っていうスタッフさんもいる。
マニュアル通りではなくて、じっくりそのスタッフさんと向き合って「どんな人なのか、どんなことがこの人には必要なのか」  ってことを考えなくちゃいけない。

>>では人材業界は、今後はどうなっていくと思いますか?

派遣業界から出て、外からみてわかったことは、先ほどもお話させていただきましたが、右から左に流していけばビジネスになる、って時代じゃないんですよね。知恵と、個々の人間力が必要。
その個々の、営業マンだったり、コーディネーターだったりの人間力を高めるにはどうしたらいいかっていうと、その「企業」自体が「ステキ」であることが大切なんです。
つまり、顧客満足度(CS)だけではなく、社員満足度(ES)が凄く必要になってくると思います。

この会社でずーっと働きたいなって社員一人一人が思えないと、仕事を頑張れないですし、いいサービスを提供できないんです。

>>そんな派遣業界に対して須田さん個人はどうアプローチしていきたいと考えてらっしゃいますか?

そうですね。うちの会社では人材派遣業界の会社に人を紹介する事業をしていますが、今のところまだ経験者の紹介しかできていないんです。それは、派遣会社のニーズが、日々忙しく、教えている時間がないので、即戦力になれない未経験の新卒の人をいきなり紹介するわけにはいかないという理由からです。
でも、今後は、「未経験だけどヒューマンスキルの高い、優秀な新卒(未経験者)」の方の紹介に力をいれてゆきたいと考えているんです。

そこで・・・、オーピーエヌのような派遣業界に関するノウハウのある会社が、未経験の人に、派遣法や面接の仕方・クレームの聞き方などのカウンセリングスキル研修を行い、就職を紹介する。そういう派遣業界に特化したスクール・・・、みたいなものを提供できればなぁって思います。その教育後なら、未経験でもヒューマンスキルの高い人を紹介できるようになりますよね。
できればスクールの運営は、求職者の方からはとらない形式(成約企業からいただく)を考えています。

―うわわ!な〜んてステキなスクールなんでしょう!様々な人材派遣ビジネスのノウハウがつまった授業が無料・・・・!!私もぜひぜひ参加してみたいと思いました!
(社会人になってからでも参加できるようなので、皆さんも是非チェックしてみてください☆)

>>それでは 最後に、学生に何かメッセージをお願い致します!
 
偏ったことを言ってしまうようですけど・・・私は、「社会人のスタートに際して、無理にキャリアプランというものを意識しないほうがいいんじゃないですか?」って思っています。

日本って、高校生の頃まで「とりあえず勉強して、人と同じにしていなさい」みたいな教育なのに、大学生になったら突然「君は何をしたいんだ?」ってなるでしょう。おかしいですよね。

>>確かに。就職活動してから突然聞かれ始めましたね。「キャリアプラン立てて下さい」とか、「あなたの夢を教えて下さい」とか。

小学生の頃からインターンシップなんかに参加してキャリアについて考えているならまだしも、就職活動のために突然作ったこじつけのキャリアプランなんて意味ないですよね。

だけど、「自分はどういう人間なんだろう」「どういう価値観なんだろう」「どう生きたいんだろう」っていうことは日々しっかり考えておいたほうがいいと思います。生き方についてとか、好き嫌いとか。単純に、「結婚してもずーっと一生働こう!」っていう覚悟とか、そういう長い目で自分の人生を考えてみるんです。そういうものさえちゃんと持っていれば、どこで働いても大丈夫。
そして、会社に入ったらきちんと「その会社でどうしていきたいのか」、っていう目標を立てて、与えられた役割を意識しながら、人との出会いを大切にして、一生懸命働いていけばいいんですよ。



-はい!有難うございました!

須田さんは、"特別強い自己主張はしないけれど、独特の魅力であたたかく包み込んでくださる"、そんな女性だった。

「人材派遣(紹介)業界は知恵の時代」・・・、納得のご見解である。
これを読んで下さっている皆さんにも、人材業界を受ける際には是非意識してもらいたい問題だ。
私自身、派遣業界に対して「ガツガツとスピーディに人を送り込む仕事」というイメージがあった。表では派遣スタッフ獲得の為に「サポートは万全」と宣伝していても実際には派遣スタッフに対してのフォローがほとんど無いような派遣会社もある、ということも耳にしている。

しかし、それではこの派遣戦国時代(なんてたって派遣会社は9000社もある!)を生き抜いてはいけないだろう。
これからの人材派遣業界は、須田さんのように「人間としてのあたたかみ」を強く感じられる方が必要とされているに違いない。

「こじつけのキャリアプランなんかいらない」
人間味あふれる言葉で私達を勇気付けて下さった須田さん。是非これからも人材派遣(紹介)業界を「人的魅力イッパイの業界」として盛り上げていって頂きたい!!!



記事執筆:笛田智子
インタビュー:笛田・尾ヶ井・須藤
インタビュー日:2006年8月22日

>>インタビュアーの感想はこちら




>>バックナンバー
#17 株式会社アークパワー 池辺竜一さん

 #16 株式会社オーピーエヌ 須田万里子さん

 #15 株式会社ベンチャーエントリー 辻口寛一さん

 #14 株式会社ビー・スタイル 三原邦彦さん

 #13 株式会社テクネット 須田騎一朗さん

 #12 株式会社テクノブレーン 能勢賢太郎さん

 #11 株式会社シンカ 小野公督さん

#10 株式会社テンプスタッフ 篠原欣子さん

#09 株式会社東京コンサルト 円谷梨絵さん

#08 株式会社アクタリスト 水内終一也さん

 #07 株式会社ワイキューブ 李泰一さん

 #06 株式会社学情 塙大亮さん

  #05 株式会社インテリジェンス 上原隆さん

 #04 株式会社シェイク社長 森田英一さん

 #03 株式会社リクルートエージェント 波田野大悟さん

 #02 アチーブメント株式会社 近藤悦康さん

 

>>インタビュアーの感想
#17 株式会社アークパワー 池辺竜一さん

 #16 株式会社オーピーエヌ 須田万里子さん

#15 株式会社ベンチャーエントリー 辻口さん

#14 株式会社ビー・スタイル 三原邦彦さん

 #13 株式会社テクネット 須田騎一朗さん

 #12 株式会社テクノブレーン 能勢賢太郎さん

 #11 株式会社シンカ 小野公督さん

#10 株式会社テンプスタッフ 篠原欣子さん

#09 株式会社東京コンサルト 円谷梨絵さん

 #08 株式会社アクタリスト 水内終一也さん

 #07 株式会社ワイキューブ 李泰一さん

 #06 株式会社学情 塙大亮さん

 #05 株式会社インテリジェンス 上原隆さん

 #04 株式会社シェイク社長 森田英一さん

 #03 株式会社リクルートエージェント 波田野大悟さん

 #02 アチーブメント株式会社 近藤悦康さん